2019-01-01から1年間の記事一覧

「サラリーマン」の大衆化(1)

今回は、「サラリーマン」はいつ、いかにして社会的表徴となったのか、ということを考えたいと思います。 第一に考えられるのは、1950年代です。1950年代、社会科学者の間で「大衆社会論」という議論が起こります。これはマルクス主義者的な問題意識からきた…

人生雑誌―戦後貧乏青年による知へのあこがれ

「働く青年」と教養の戦後史: 「人生雑誌」と読者のゆくえ (筑摩選書) 作者: 福間良明 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/02/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 1950年代において、貧困故に進学できなかった青年たちの鬱屈を表象…

1950年代~60年代におけるメディアの中のサラリーマン表象―『三等重役』と『ニッポン無責任時代』―

昭和30年代においては、サラリーマンは「新中間層」と呼ばれ大衆文化の担い手と見なされていました[i]。しかし、実際その数を統計から明らかにした研究によると、サラリーマン層は全労働者の10~15%程度で、「大衆」と呼べるほどマス化してはいませんでした…

ドラマ『ふぞろいの林檎たち』とコンプレックスの80年代

ふぞろいの林檎たち(1983年) 平均視聴率17.6% ふぞろいの林檎たちII(1985年) 平均視聴率18.0% 「学校どこですか?」パートⅠ第一話のタイトルです。劇中では主人公の一人、西寺が「『学校どこですか?』って聞かれるのが一番嫌だよ!!」と言う。そして主…

平成31年度学振特別研究員 社会学関連 研究課題一覧

どこに需要があるのかわかりませんが、平成31年度学振特別研究員採用者(細目区分:社会学関連)の研究課題一覧を作ってみました。何かの御参考になれば幸いです。(なお、嫌がる方もいらっしゃるかもしれませんので、採択者の御名前は載せず、受入教員のみ…

学振申請書(文系)の書き方(の一例)

研究者を目指す方の登竜門である日本学術振興会特別研究員(いわゆる学振)。私は周囲のサポートのおかげで運良く採用された(DC1・社会学)わけですが、その経験を踏まえて、申請書の書き方について自分なりにまとめてみようと思います。 私のような人文社…

研究業績一覧(2019年4月時点)

≪学術論文等≫ (査読あり) ・谷原吏、「A. Giddens後期近代論を人々の振舞の次元で考える―振舞のコードとしてのauthenticityについて」(査読付研究ノート)『立命館産業社会論集』、54巻第2号、pp. 85-98、2018年9月. (査読なし) ・Tsukasa TANIHARA, “Ag…