2021年度講義「メディア社会学/メディア社会心理学」

2021年度より、江戸川大学メディアコミュニケーション学部マス・コミュニケーション学科にて授業を持たせていただけることになりました。 題目は「メディア社会学/メディア社会心理学」です。 内容的には、同学科の三つのコースである「ジャーナリズム」「…

計算社会科学会(Society for Computational Social Science of Japan)が発足

計算社会科学会(Society for Computational Social Science of Japan)が発足したとのことです。 もともとは2016年頃に計算社会科学研究会(Computational Social Science Japan)として発足したものですが、この3月から名称変更したようです。 https://css…

「サラリーマンのメディア史」完結

2020年ももうすぐ終わりですので、今年度の業績を振り返っておきたいと思います。まだ未刊行の論文もありますが、以下の通りとなります(筆頭著者の論文のみ)。 「戦前期における職員層の複眼的な理解に向けて―『サラリーマン』『知識人』『消費者』」 2021…

大久保祐作・會場健大, 2019,「p値とは何だったのか : Fisherの有意性検定とNeyman-Pearsonの仮説検定を超えるために」『生物科学』70(4), 238-251

非常に勉強になる論文を読んだので共有します。 大久保祐作・會場健大, 2019,「p値とは何だったのか : Fisherの有意性検定とNeyman- Pearsonの仮説検定を超えるために」『生物科学』70(4), 238-251 www.researchgate.net p値の話です。アメリカ統計学会が201…

左右の二極化は起こっていないかもしれないけれど、穏健な人と極端な人の二極化は起こっているのではないかという話

インターネットやSNSの利用が政治的志向の二極化を促進するかということは、これまで多くの研究が蓄積されています。理論的には、インターネットにおける情報の選択的接触により、政治的志向が二極化するという議論から始まりました(Sunstein 2001)。しか…

(研究構想)新聞とTwitterの議題設定機能の比較

2カ月くらい前から考えていた、伝統的メディアと新しいメディアの関係についての研究が具体的な調査設計レベルに落ちてきたのでここに記しておきます。この研究は、別の角度から見れば、ネット世論の正体を明らかにすることに貢献するかと思います。 (問題…

「サラリーマン」の大衆化(1)

今回は、「サラリーマン」はいつ、いかにして社会的表徴となったのか、ということを考えたいと思います。 第一に考えられるのは、1950年代です。1950年代、社会科学者の間で「大衆社会論」という議論が起こります。これはマルクス主義者的な問題意識からきた…

人生雑誌―戦後貧乏青年による知へのあこがれ

「働く青年」と教養の戦後史: 「人生雑誌」と読者のゆくえ (筑摩選書) 作者: 福間良明 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/02/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 1950年代において、貧困故に進学できなかった青年たちの鬱屈を表象…

1950年代~60年代におけるメディアの中のサラリーマン表象―『三等重役』と『ニッポン無責任時代』―

昭和30年代においては、サラリーマンは「新中間層」と呼ばれ大衆文化の担い手と見なされていました[i]。しかし、実際その数を統計から明らかにした研究によると、サラリーマン層は全労働者の10~15%程度で、「大衆」と呼べるほどマス化してはいませんでした…

ドラマ『ふぞろいの林檎たち』とコンプレックスの80年代

ふぞろいの林檎たち(1983年) 平均視聴率17.6% ふぞろいの林檎たちII(1985年) 平均視聴率18.0% 「学校どこですか?」パートⅠ第一話のタイトルです。劇中では主人公の一人、西寺が「『学校どこですか?』って聞かれるのが一番嫌だよ!!」と言う。そして主…

平成31年度学振特別研究員 社会学関連 研究課題一覧

どこに需要があるのかわかりませんが、平成31年度学振特別研究員採用者(細目区分:社会学関連)の研究課題一覧を作ってみました。何かの御参考になれば幸いです。(なお、嫌がる方もいらっしゃるかもしれませんので、採択者の御名前は載せず、受入教員のみ…

学振申請書(文系)の書き方(の一例)

研究者を目指す方の登竜門である日本学術振興会特別研究員(いわゆる学振)。私は周囲のサポートのおかげで運良く採用された(DC1・社会学)わけですが、その経験を踏まえて、申請書の書き方について自分なりにまとめてみようと思います。 私のような人文社…

研究業績一覧(2019年4月時点)

≪学術論文等≫ (査読あり) ・谷原吏、「A. Giddens後期近代論を人々の振舞の次元で考える―振舞のコードとしてのauthenticityについて」(査読付研究ノート)『立命館産業社会論集』、54巻第2号、pp. 85-98、2018年9月. (査読なし) ・Tsukasa TANIHARA, “Ag…